「ほたる保護監視員」さんにインタビュー!知ってるようで知らないホタルの実態


「福井ほたる祭り」「冬妻ほたる祭り」など、この時期はホタルの観賞スポットとして注目される西蒲区。

ホタルと聞いても「光るアレでしょ?」くらいの知識しか無い僕。今回は、福井地区で30年近く「ほたる保護監視員」として活動している本間勝一さんに、改めて「ホタル」についてお話を伺ってきました。


廣瀬
西蒲区にはどのようなホタルが生息しているんですか?
本間さん
ほとんどがゲンジボタルです。昔でしたら、7月頭になるとヘイケボタルも現れたんですけど、今では見かけなくなりましたね。ヘイケボタルはゲンジボタルよりも小さくて、光の波長が車のウインカーと同じなんです。だから、田んぼの真ん中で車を止めてウインカーを点けていると、たくさん寄ってくるなんてこともありましたよ。
廣瀬
今ではホタル自体が珍しいですよね。
本間さん
福井からもホタルがいなくなった時期がありましたけど、「ほたるの会」というものを作りまして、意図的に数を増やしました。でも今度は県外に持ち帰って売りに出す人とかが出てきたので、その対策として、市の方で保護監視員を作って見回りをしたりしているんです。

廣瀬
西蒲区がホタル鑑賞のスポットになっているのは自然が豊かだからですか?
本間さん
そうですね。要するに「綺麗な水がある」ということです。水が綺麗ということは、ホタルのエサである「カワニナ(巻貝)」もたくさんいるんですね。ここの「ほたるの里公園」も、ホタルが増え始めてから観光スポットということで県に整備してもらったんです。

ホタルが飛ぶ園内を見下ろすことができる、その名も「蛍観橋(けいかんばし)」

廣瀬
ホタルが光るのは、求愛の意味だと聞いたことがあります。
本間さん
そうです。オスが飛びながら、一生懸命メスに求愛しているんです。ホタルの寿命はふ化してから10日間ほどですから、短い命ですよね。ちなみにオスは20時前後から飛び始めます。それで、草むらにいる光の波長が合うメスを見つけたオスは、下に降りて、そのメスと交尾をします。メスはオスよりも2倍大きいので光も大きいですよ。また、1回目で交尾ができなかったオスは、23時頃にもう一度飛びます。ホタルは1日に2回飛ぶんですね。
廣瀬
ほたる保護監視員にはどういう役割があるんですか?
本間さん
メス1匹で200~300個の卵を産むんですが、自然界にはホタルの幼虫の天敵がたくさんいます。なので繁殖の手助けとして、一部のつがいを保護し、容器の中で卵を産ませ、ある程度大きく育ったら自然に帰すということをしています。
廣瀬
ホタルは触っちゃいけないと聞いたことがあります。
本間さん
昔は「臭いから手が腐る」とか言われてましたけど、今はそんなことありません。全然触っても大丈夫です。ただ、体が柔らかいからつまむのはダメですね。手ですくう感じがいいと思います。私も子供たちにホタルを見せてあげることがありますけど、たまに「光ってて熱そうだからヤダ!」って言う子もいますよ(笑)。

廣瀬
ホタルが鑑賞できる条件を教えてください。
本間さん
午前中に雨が降って、午後から晴れた日です。蒸している状態が一番いいですね。例年だと6月10日頃から出始め、その1週間後くらいからたくさん飛び始めます。でも今年は風が吹いたり肌寒い夜もまだ多いですから、なかなか草むらから出てきませんね。
廣瀬
湿度が大事なんですね。
本間さん
そうです。ホタルは成虫になるとほとんど何も食べないで、草についた朝露を舐めながら10日間生きるんですよ。ここ数日はいい条件が整っていると思いますので、たくさんのホタルが飛ぶ光景を見ることができるんじゃないでしょうかね。

「カワニナは石の横とかにくっついているんだわ」と、インタビュー後にカワニナを探してくれた本間さん。

極小のやつを発見(笑)。普段ならもっと大きいのが見つかるそうです。

ほたるの里公園の隣には「福寿温泉 じょんのび館」もあるので、温泉に浸かった後にゆっくりホタル鑑賞をしてみてはいかがでしょうか?

INFORMATION

ほたるの里公園
所在地 : 新潟市西蒲区福井4067

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