アートを通して生まれる新たな繋がりに期待!「水と土の芸術祭2018」事務局長インタビュー


2009年から3年に1度開催されている「水と土の芸術祭」。今回は新潟開港150周年という節目にもあたり、これまで以上に注目を集めています。
そこで、実行委員会事務局の事務局長・眞島幸平さんに、4回目となる芸術祭の特徴について話を聞きました。


今回の見どころを教えてください。

今回は新潟開港150周年の主要事業ということで、新潟市の魅力の1つである「みなとまち」を皆さんに感じていただきたいと思っています。そのため、メイン会場を万代島多目的広場(大かま)、 サテライト会場を新潟市芸術創造村・国際青少年センター(ゆいぽーと)として、どちらも海が近い場所を選びました。


メイン会場 : 万代島多目的広場 – Photo by Osamu Nakamura


今回のコンセプト「メガ・ブリッジ-つなぐ新潟、日本に世界に-」について解説をお願いします。

この芸術祭には、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか~新潟の水と土から、過去と現在(いま)を見つめ、未来を考える~」という第1回から一貫した基本理念があります。それを踏まえて、コンセプトの「メガ・ブリッジ」には3つの意味が込められいます。
1つ目は、拠点都市としての新潟の位置付け。つまり、もっと国内や世界と繋がって拠点性を高めていこうという意味があります。
それから2つ目は、市民と市民が繋がれるかけ橋を作り、アートを通してさらに新しい別の何かを生み出して行こうということ。
そして3つ目は、アートを通して自然や社会といった様々なものと繋がって行こうということです。
3つ目の意味で特徴的なのは「アール・ブリュット(専門的な美術の枠を超えた自由な表現による芸術作品)」で、今回は作家と障がい者の方との交流から生まれたことを作品にしています。


作品数は何点くらいありますか?

既存の作品も含めてですが、今回は48作品あります(作家は38人)。県内外の作家さんはもちろん、中国・韓国・ロシア・タイの作家さんにも出展していただきました。


松井紫朗 Soft Circuit(水と土の芸術祭2018) – Photo by Osamu Nakamura


その中で印象深い作品はありましたか?

メイン会場である大かまのスケールに合わせた、大きな作品は大変見応えがあると思います。特に、松井紫朗さんの作品は中に入ることができますので、子供たちが喜んで中に入っていく姿が印象的でした。その他にも普段ではなかなか直接見ることのできない、世界で活躍している作家さんたちの作品がたくさんありましたので、どれも印象に残っています。
また、サテライト会場はさらにアットホームな雰囲気になっていますので、ご家族で足を運んでいただくと非常に楽しめるのではないかと思います。アートは説明しても伝わりにくいですから、とにかく見てもらうのが一番ですね。ただ、細かい部分に気がつかず通り過ぎてしまうような作品もありますし、会場は大かまとゆいぽーと以外にもありますから、各会場でゆっくり鑑賞していただきたいです。


2種類あるポスター


ロゴとタイトルのデザインが前回から引き継がれていますよね?

そうですね。このロゴを使ったポスターは前回、ADC賞という広告の賞をいただいたのですが、「水」と「土」の出会いや交わりなどをグラデーションで表現していて、正方形の形は田んぼの「田」をイメージしています。とても綺麗ですし、認知度も高まってきているということで継続展開になりました。


いろんな人がこのロゴを持っているグラフィックも印象的です。

我々の芸術祭が他の芸術祭と違うところは、市民プロジェクトが盛んなところです。市民の力が主役と言いますか。そのことを表現するために、様々な新潟市民にロゴを持っていただきました。今回は84もの市民プロジェクトが立ち上がりましたけど、これだけの数を市民の方々が自ら企画・運営していくというのは、他にはない強みです。ポスターなどで使っている今回のグラフィックは、市民が主役の芸術祭というのをうまく表せていると思います。

今後の目標や構想はありますか?

この芸術祭がどのように発展していくとしても、最初にお伝えした基本理念が根本にあり続けると思いますので、まずはアートを通して自分たちの住む街の魅力や課題を見つめ直していただくこと。そしてそれらを、将来へ向けてみんなで考えながら街づくりに繋げて行くということを目指して行きます。

来場する際は、1枚で3つの有料会場「万代島多目的広場(屋内)」「NSG美術館」「天寿園(屋内会場)」に入場できるパスポートの利用がオススメ。しかもパスポートには、有料会場で捺してもらえるスタンプを全部集めると、マリンピア日本海の入館料が無料になるなどのお得な特典付きです!

また、県内及び都内の書店で販売中の公式ガイドブックにも、景品がもらえるスタンプラリーのシートや、市内の文化施設・飲食店で利用可能な特典が付いているので、ぜひガイドブックを片手に3年に1度の芸術祭を堪能してみよう!

INFORMATION

水と土の芸術祭2018
期間 : 2018年7月14日(土)~10月8日(月・祝)
会場 : メイン会場 万代島多目的広場 / サテライト会場 新潟市芸術創造村・国際青少年センター / その他市内全域(全18会場)
料金 : パスポート 一般 ¥1,500、学生・65歳以上 ¥1,000 / 単館チケット 有料会場により異なる ※中学生以下・障がい者(介助者1名を含む)無料
HP : http://2018.mizu-tsuchi.jp/