「第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」関連インタビュー「茶道」編


9月15日(日)~11月30日(土)の期間に開催される「第34回 国民文化祭・にいがた2019、第19回 全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」。関連インタビューのお二人目は、9月15日(日)~9月19日(木)の5日間、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館で行われる「国民文化祭にいがた2019茶会」について

国民文化祭にいがた2019茶会

新潟県茶道連盟理事長 中野宗順(そうじゅん)さんにお聞きしました。


今回のイベント内容を教えてください。

新潟県茶道連盟に加入している、お抹茶やお煎茶の各流派は11ありまして、その方たちが5日間に渡って大体1日三席ずつお茶席を開きます。道具もなるべく新潟で作られたものを使っていただく予定です。

中野さんの流派である江戸千家の特徴はありますか?

元々表千家流の茶人だった流祖の川上不白(かわかみふはく)が、江戸で千家を広めたことから江戸千家という名前が付いています。徳川吉宗の時代に大名だった人たちはみんな、参勤交代で江戸を訪れた際に江戸千家を習ったので、全国に江戸千家不白会という支部があります。終戦になるまでは東京の流派もほとんどが江戸千家でした。今は家元が弟子を増やすことにあまり積極的ではないので小ぢんまりとやっています(笑)。

こちらでお茶を習っている方は何人くらいいらっしゃるんですか?

うちのお弟子さんは30人ぐらいです。私は昭和41年から教えているので、もう50年以上になりますが、一番弟子は私の姉ですし、当時から通い続けている方もまだいます。若い方で30代です。昔はお茶を学ぶことがお嫁に行くための1つのステータスになっていましたから、短大などを卒業した後にすぐ習う女性がたくさんいました。

男性の生徒さんもいらっしゃいますか?

男性もいます。特に私は植木屋さんや大工さんなどの職人さんたちに、お茶を習うように声をかけています。だってお茶室にはお庭がありますし、お茶を知ってる人でないと茶室は作れません。どんな職人さんでもお茶ができなければ、似て非なるものを作ることになるのです。

掛け軸や生け花などで季節を表したお茶室。冷房が点いていなくても、不思議と蒸し暑さを感じない空間でした。

なるほど。お茶室ってそういうものなんですね。

そうですよ。でも今はお茶を知ってる職人さんがいないんです。実際に自分で体験して、どういう風にお客様は動くのかとか、お茶室にある物にどういう意味があるのかをしっかり理解することが大切なんです。新潟県出身の庭師で田中泰阿弥(たなかたいあみ)さんという方がいました。北方文化博物館の庭を作ったり、銀閣寺の庭も修復された方なんですが、茶室には路地がなくてはいけないんだそうです。路地とは家から茶室に着くまでのことなんですけど、大げさに言えば、その間にいろんな雑念を捨てて身を清める必要があると。だから茶室だけがあってもダメなんですね。

中野さんの茶室にある立派なお庭も、田中泰阿弥によって作られたお庭だそう。


素人でも茶道を楽しめるポイントはありますか?

茶道は「おもてなし」なので、おもてなしに応えられる人間になれます。例えば、綺麗な器でお茶を出したり、その日のために用意したおいしいお菓子を出したとします。それなのにただ黙って食べられてしまって、何も感想や質問がないと出した甲斐がないですし、何か反応があれば亭主は嬉しいのです。お客様も知らないことが知れて嬉しいですよね。うちのお弟子さんたちも最初は何もわからなかったけど、段々と外出先でおいしいお菓子を探し回ってくるようになるんです。それをみんなで話しながら食べあって楽しいですね。私たちはお茶をすることで人生を2倍生きてます。

2倍、、、ですか?

今では少なくなった日本間で、おいしいお菓子を食べるとか、いいお茶碗を鑑賞するとか、季節の素敵なお花を見て覚えるとか。こういう経験をしたり知識を身につけることで、人間として大きくなりますよね。それと、あなたは畳の上に3時間もじっと座ってることなんてありますか?

ないです、、、。

ないですよね。だから皆さんはそれがすごくいいとおっしゃいます。もう別世界なんです。普段仕事や時間に追われて忙しくても、ここへ来た時は精神的にも落ち着くので、そういう面でも喜んでらっしゃいますね。それは昔の人も同じで、松永安左エ門(まつながやすざえもん)っていう「電力の神様」とも言われた偉人とか、益田鈍翁(ますだどんおう)っていう三井物産の設立に関わった佐渡出身の実業家とか、若くして日本の歴史を作ってきたすごい人たちも仕事の合間にお茶を楽しんでいました。そういうことを知れるのも楽しみの1つですね。

ここで、せっかくだからということで、お茶室でお抹茶とお菓子をいただくことに。

人生初のお茶席で緊張しつつ、中野さんがお茶を点てる様子を凝視。

すると、中野さんのお姉さん・禮子(れいこ)さんが、日本三大銘菓の1つ「山川」を出してくれました。こちらもしばらく凝視していると、「先におあがりください」との言葉が。お茶席ではお菓子を先に食べることがマナーなのだそうです。上品なさっぱりとした甘さで、素人の私でもお茶と合う味ということがわかりました。

こちらが点てていただいたお茶。彩りも美しく、抹茶のいい香りが漂います。

はぁ、、、おいしい。

本格的なお抹茶がこんなにもおいしいものとは思ってもいませんでした。改めて日本人で良かったです。


なんだかお茶にものすごい魅力を感じてきました。では最後に読者へメッセージをお願いします。

お茶を知らない人でも、参加することできっと何か得るものがあると思います。なのでそれを見つけに来ていただければ、私たちも一番ありがたいです。そして日本の伝統文化ですから、まずは着物の着方からでもいいので、ご一緒に勉強していただければと思います。

伝統文化は馴染みがない分敷居が高そうなイメージですが、お茶の世界も思い切って一歩足を踏み入れてみれば印象が変わると思います。ぜひ気軽に参加してみてください。

INFORMATION

国民文化祭にいがた2019茶会
期間 : 2019年9月15日(日)~9月19日(木)
時間 : 10:00~15:30
料金 : 当日券 2,100円 / 前売券 2,000円(チケット1枚で三席まで参加可)
会場 : りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 能楽堂楽屋、ロビーホワイエ
HP : https://niigata-futtotsu.jp/event/3356/

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