6月30日(土)〜7月2日(月)開催!「蒲原まつり」実行委員長さんに直前インタビュー
村上の「村上大祭」、柏崎の「えんま市」と並んで、「新潟三大高市(たかまち)」の1つに数えられている「蒲原まつり」。※高市:祭礼や縁日などで露店が並び賑わう所。
今回は、蒲原まつりの実行委員長を10年以上務めているという、三和商事株式会社 代表取締役の水本孝夫さんに、蒲原まつりのウラ側を聞いてみました。
廣瀬
まず、蒲原まつり実行委員会について教えてください。
水本さん
実行委員会は「長嶺地域コミュニティ協議会」に属していて、立ち上げてから今年で14年目になります。そして、長嶺地域にある13の町内会の会長さんが副会長をしておりまして、さらにそれとは別にいる14名ほどの実行委員が中枢となって活動しております。
やっぱり地域の方々の協力がないと、これだけの規模のお祭りというのは実現できませんからね。
やっぱり地域の方々の協力がないと、これだけの規模のお祭りというのは実現できませんからね。
廣瀬
蒲原まつりの起源や歴史はご存知ですか?
水本さん
基本的には「蒲原神社」を中心としたお祭りということなんですが、露店が並んで人が集まるという、いわゆる今のお祭り形式になった起源はちょっとわからないです。
ただ、元々は別の場所で行われていた神事が、新発田藩から領地をもらったことがきっかけで今の場所に移ったと聞きますから、200~300年前になるかもしれませんね。
ただ、元々は別の場所で行われていた神事が、新発田藩から領地をもらったことがきっかけで今の場所に移ったと聞きますから、200~300年前になるかもしれませんね。
廣瀬
200~300年前!
水本さん
その神事というのは、鎌倉時代に畠山六郎重宗という方が宮司に就任した時から始まった「御神籤(おたくせん)」という、その年のお米の獲れ具合を占うもので、それがまたよく当たるということで近くの村々から農家の人たちが集まってきたんです。そうすると今度はその農家の人たちを目当てにした物売りが集まってきますから、その繰り返しで今に至るんじゃないでしょうかね。
廣瀬
今では延べ1kmに渡って400店以上の露店が出ているので、日本一の祭りとも言われていますよね。
水本さん
露店数からすると、厳密にはもっと数の多いお祭りもありますよ。まあ蒲原まつりも私が子供の頃は700店くらい出店があったと言われているので、その当時は日本でも有数のお祭りだったと思います。それが今では450店くらいになっているんですが、これには大きな原因があるんです。
水本さん
何かというと、昔はたくさんいた瀬戸物屋さんや植木屋さんたちが、時代の流れとともに撤退して行ったからなんです。ホームセンターなどが普及していつでも安く物が手に入るようになりましたし、庭のある家も減りましたから植木なんて売れないですよね。
今は出店している露店の6割以上が飲食系になりました。さらに露店の半分は県外からの露店商になりますから、県内の他のお祭りでは見かけない珍しい露店も蒲原まつりには多いです。
今は出店している露店の6割以上が飲食系になりました。さらに露店の半分は県外からの露店商になりますから、県内の他のお祭りでは見かけない珍しい露店も蒲原まつりには多いです。
廣瀬
なるほど。僕の地元の祭りにも昔は植木屋がいましたけど、確かに言われてみれば全然見なくなりましたね。
水本さん
蒲原まつりは特にそれが顕著で、お祭りというものもやっぱり時代に合わせてちょっとずつ形態が変わっていくんです。開催日数も、私が知る限りでは4日間やっていた時期がありましたけど、周辺に住む方々から色々と要望が増えまして、1日減らしたんです。
ただ御神籤は蒲原神社にとって大事な神事ですから、これだけはずっと受け継がれているんですよ。御神籤が目的で来る人はほとんどいなくなりましたけどね(笑)。2日目の19時からやりますのでぜひ見に来てください。
ただ御神籤は蒲原神社にとって大事な神事ですから、これだけはずっと受け継がれているんですよ。御神籤が目的で来る人はほとんどいなくなりましたけどね(笑)。2日目の19時からやりますのでぜひ見に来てください。
廣瀬
御神籤では具体的に何をするんですか?
水本さん
米の獲れ具合が12通り書かれた、12本の棒が入った箱があるんですけど、それを宮司さんがお参りをしながら振るんです。それで出てきた1本に書かれている内容が、その年の米の獲れ具合になるというわけです。これが今でも意外に当たるんですよ。
さっきも言いましたけど、昔はこれを目当てにたくさんの農家さんが集まったんですが、車はまだないのでみんな船で来たんですね。今の栗ノ木バイパスは「栗ノ木川」という川でしたから、そこに停めた船に数日間泊まって、お祭りを楽しんで帰って行ったんです。
さっきも言いましたけど、昔はこれを目当てにたくさんの農家さんが集まったんですが、車はまだないのでみんな船で来たんですね。今の栗ノ木バイパスは「栗ノ木川」という川でしたから、そこに停めた船に数日間泊まって、お祭りを楽しんで帰って行ったんです。
廣瀬
今はどのくらいの来場者数があるんですか?
水本さん
ここ数年は3日間で24万2,000人くらいですね。年々増えてますよ。もっともカウントを始めたのが7年前くらいからですけどね。
そのきっかけというのは柏崎のえんま市なんですけど、我々実行委員が見学に行った時に来場者をカウントしていたので、そこでカウント方法を教えてもらって、参考に蒲原まつりでも始めたんです。
そのきっかけというのは柏崎のえんま市なんですけど、我々実行委員が見学に行った時に来場者をカウントしていたので、そこでカウント方法を教えてもらって、参考に蒲原まつりでも始めたんです。
廣瀬
でもお祭りって出入り口が決まってるわけじゃないから、カウントも難しいですよね、、、?
水本さん
そうなんですよ。だからあくまで概算ですけど、1時間に1回、5分間だけ本部の前を通る人をカウントするんです。例えば、14時から14時5分までの5分間をカウントします。その数字に12を掛けると14時台の人数が出ますよね。でも本部前を通らない人たちも当然いますから、さらにその数にある一定数を掛けるんです。
最初は私も5分数えただけで1時間分の人数が出せるのか疑問だったので、試しに30分に1回測ることもやってみたんです。そしたら1時間に1回測った時と、ほとんど変わらない数になったんですね。不思議だなと思いました。結果、天気がいい土日なんかは1日で10万人以上来ますよ。
最初は私も5分数えただけで1時間分の人数が出せるのか疑問だったので、試しに30分に1回測ることもやってみたんです。そしたら1時間に1回測った時と、ほとんど変わらない数になったんですね。不思議だなと思いました。結果、天気がいい土日なんかは1日で10万人以上来ますよ。
廣瀬
すごい数ですね!やっぱり年齢層も幅広いですか?
水本さん
年齢層は比較的若いです。性別で言うと女性が多いですね。平日は夕方になるとサラリーマンの方が増えますし、土日は家族連れももちろん来ますけど、お年寄りは減った印象があります。人混みで身動きが取れなくなるような場所もありますので、そういうところはお年寄りが嫌がるんですよね。
若い女性が多いというのは、珍しい飲食系の露店がたくさんあって、普段できないような食べ歩きも堂々とできるからだと思うんです。
若い女性が多いというのは、珍しい飲食系の露店がたくさんあって、普段できないような食べ歩きも堂々とできるからだと思うんです。
廣瀬
なるほど。珍しい物や食べ物が好きな女性は多いですもんね。
水本さん
ただ運営側として困るのは、それだけゴミも多いということなんです。
その対策として、各露店商にはゴミ袋を無料提供していて、自分の店のゴミ以外も受け入れてもらうよう伝えているんです。
あとは会場全域に「ゴミのポイ捨てはしないでください」と放送も流しているんですけど、それでもポイ捨てはなくなりません。だから我々実行委員会は、トングとゴミ袋を持って毎日巡回していますし、昼間の巡回に関しては、3年前くらいから宮浦中学校の生徒さんたちにも協力してもらっています。
ゴミという「負の部分」を教育の観点からも活用してもらって、我々としても助かっていますよ。その他にも、地域の方々が早朝ゴミ拾いをしたりですね、色々動いているんです。
その対策として、各露店商にはゴミ袋を無料提供していて、自分の店のゴミ以外も受け入れてもらうよう伝えているんです。
あとは会場全域に「ゴミのポイ捨てはしないでください」と放送も流しているんですけど、それでもポイ捨てはなくなりません。だから我々実行委員会は、トングとゴミ袋を持って毎日巡回していますし、昼間の巡回に関しては、3年前くらいから宮浦中学校の生徒さんたちにも協力してもらっています。
ゴミという「負の部分」を教育の観点からも活用してもらって、我々としても助かっていますよ。その他にも、地域の方々が早朝ゴミ拾いをしたりですね、色々動いているんです。
水本さん
よくある話ですが、イベントを楽しんでもらうことはいいことなんですけど、ゴミの出ないクリーンな楽しみ方をしていただけるともっといいですよね。それと合わせて、仮設トイレもマナー良く使っていただきたいです。
マナーを守っていただかないと、全ては苦情の原因になってしまいますから、そういう視点でも蒲原まつりを見てもらえればと思います。
マナーを守っていただかないと、全ては苦情の原因になってしまいますから、そういう視点でも蒲原まつりを見てもらえればと思います。
廣瀬
今年の見どころがあれば教えてください。
水本さん
強いて言えば、実行委員会で企画している「福祉ふれあい広場」というエリアがあるんですよ。通称「蒲原横丁」と呼ばれる、明石通りと万代町通りの中間に位置する広い通りなんですけど、元々は瀬戸物屋さんとか植木屋さんがいた場所です。そこでは新潟市内の福祉作業所で働く人たちの、手作り商品や委託販売商品などを販売していたり、「浴衣まつり抽選会場」がありますので、浴衣(甚平も可)で来ていただいた方は無料で抽選会に参加できます。
それとイベントとして、日本アニメ・マンガ専門学校の学生による似顔絵コーナー、歌やダンスのパフォーマンス、万代長嶺小学校の子供たちによる万代太鼓の発表などもありますので、ぜひこちらの方へもお越しいただければと思います。
それとイベントとして、日本アニメ・マンガ専門学校の学生による似顔絵コーナー、歌やダンスのパフォーマンス、万代長嶺小学校の子供たちによる万代太鼓の発表などもありますので、ぜひこちらの方へもお越しいただければと思います。
廣瀬
この間、蒲原まつりに合わせて浴衣の着付けを予定している方々の取材をしてきたばかりなんです!
水本さん
それはちょうどいいですね。浴衣を着て来られる方は700人くらい毎年いるんですけど、浴衣も今ではオシャレなデザインや可愛いらしいデザインがたくさんあるんですよ。
昔はお祭りに浴衣で出かけるということが当たり前でしたので、我々としては少しでも昔ながらの情緒を取り戻したいという想いもあります。
昔はお祭りに浴衣で出かけるということが当たり前でしたので、我々としては少しでも昔ながらの情緒を取り戻したいという想いもあります。
https://shikamo.jp/events/703
今週末に迫った蒲原まつりを存分に、そしてクリーンに楽しみましょう!
INFORMATION
開催期間 : 2018年6月30日(土)~7月2日(月)
露店出店時間 : 6月30日 13時~23時 / 7月01日~02日 10時~23時
開催場所 : 新潟市中央区長嶺町3-18 蒲原神社とその周辺
お問い合わせ : 長嶺地域コミュニティ協議会
電話番号 : 025-246-8602
公式サイト : http://www.minekomi.sakura.ne.jp/
ACCESS
投稿者プロフィール
- SHIKAMOのレポーター&ライター。1989年生まれ。五泉市出身。好きな言葉は「普通」。
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